幻の作品『抵抗の詩』が[石の花 第5巻]に収録されます

版元から情報解禁となりましたので、ここでもうひとつ嬉しいニュースを。来月発売の『石の花』5巻に、坂口尚の1970年の作品『抵抗の詩』が初収録されます!

『抵抗の詩』は、1970年に公開された同名タイトルのユーゴ映画をコミカライズした作品で、「まんが王」8月号〜9月号に前後編として掲載されました。映画とのタイアップ企画だったので、配給会社や映画製作者の権利関係もあったため、これまで一度も単行本に収録されたことがなかったのです。単行本への収録を求める声は大きかったのですが、ユーゴ解体とともに映画制作者もバラバラとなってしまい、映画のソフト化も不可能な状況で。そして坂口尚の描いた漫画版『抵抗の詩』の原画も行方不明。ずっと「幻の作品」と呼ばれる不遇にありました。ところが、数年前に出版社で原画が見つかり、この作品を再び世に出すチャンスを模索していました。

そんな折に、KADOKAWAから『石の花』復刊の話があり、『石の花』の原点とも評されるこの作品の単行本収録に編集部の方々が奮闘してくれました。そして、不可能と言われていた権利問題をすべてクリア。この度の初単行本収録へと至りました。KADOKAWAの編集部の方々のご尽力に心から感謝です!!

『抵抗の詩』が『石の花』と直接的なつながりがあるのかは、いろいろ評価が割れるところではありますが。二つの作品に共通のモチーフが多く、テーマとしても重なる部分があるのは明らかでしょう。作者不在な今、両作品の繋がりについて確かめる術はないのですが。今回の単行本収録でぜひご一読いただき、いろいろ想像巡らせていただけたら幸いです。

およそ50年ぶりに復活する幻の作品『抵抗の詩』。初収録される『石の花』5巻は、来月2月19日頃発売予定です。楽しみにお待ちください。