『石の花』1巻、2巻、3巻が発売!
KADOKAWAから復刊となった『石の花』。1〜3巻は2022年1月20日発売とご案内していたのですが、一部の書店では既に店頭に並んでいました。神保町の書泉グランデさんが販売開始しているツイートをしてくださっていたので、さっそくお店にお伺いし、売場の担当の方にご挨拶して写真撮らせていただきました。
講談社漫画文庫版の『石の花』が絶版状態となってから、久しく書店から姿を消してしまっていたのですが。売り場に積み上げられた『石の花』を見ると、感無量の想い…。書店の方が「書棚からなくなった後も問い合わせがずっと続いていた作品でしたので」と、語ってくださいました。
大判で蘇った『石の花』は、坂口尚の絵の本来の魅力が一層引き立っています。たくさんの方に、実際に手に取っていただきたいです。坂口尚はアシスタントを一切使わなかったので、街並みや風景描写も、モブシーンでの小さな人物像ひとつひとつも、すべての描線に作家としての魂が宿ってるように感じるのではないでしょうか。
『石の花』で描かれる戦場や強制収容所の描写は凄まじく、深く重く心に迫ってきます。しかしこの作品が素晴らしいのは、単に戦場の過酷な状況をリアルに訴えるだけではなく、幻想や夢見る眼差しについて主人公たちが問う場面が繰り返し描かれ、そうした言葉の中に哲学的な問いが散りばめられているのです。人間とは何か、社会の根底にうごめくものは何なのか、坂口尚の鋭い洞察が作品の根底に息づいています。
そして、クリロの兄イヴァンとピッチとのこんな言葉のやりとりにも心揺さぶられます。
分断と閉塞感が覆う今の時代にこそ、たくさんの方に読んでいただきたい作品です。
この度復刊の『石の花』は、KADOKAWAの「青騎士レーベル」からのリリースとなります。多大なる尽力をしていただいている担当編集者さんが「青騎士 note」に復刊についての記事を書いてくださってます。
そして「青騎士 note」には『石の花』第1話の「試し読み」がアップされています。これまで未読だった方、中身を少しだけ読んでみたいという方、ぜひ「試し読み」をご利用ください♪(公開は期間限定かもしれません)
KADOKAWA版『石の花』は、紙の本と電子版(希望コミックス版とKADOKAWA版は内容が異なります)、同時リリースとなっています。お近くの書店、またはネット書店にてお買い求めください。